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捉え方ひとつで幸せ気分?

3日から、母の第二の故郷(母の両親の出身地であり

母も中学・高校は松本で過ごした)である長野県へ行って

参りました。以前はしょっちゅう行っていたのですが、
仕事が忙しくなって、久しぶりの水入らず旅(?)でした。

 

親子水入らずといえばほのぼのとしたものを思い浮かべ
ますが、今回は私にとって、まさに“戦い”

というのも母の痴呆も、足腰の状態も想像以上に悪化して

いたからです。

 

母は他人とのやりとりはそれなりにできていますが、

私と二人になった時は“甘え”も手伝ってか、会話が
成り立ちません。若いときから思いつきをポンポン口に  出す人でしたが、最近益々その傾向が強まり、自分の感じたこと・降ってわいたアイディアなどを一方的に話します。

そして、口にしただけで満足して、数時間経ったら何を言ったか忘れています。

 

一方、私はこれでも「言葉を選ぶ」タイプ。それに加えて50過ぎて母に看病され、新しい仕事を始めてからは忙しくて
母をじゅうぶんにケアできない負い目もあり、母の願望をできるだけかなえようとあれこれ下調べ。
母の言動をベースにスケジュールを練り上げて「ママ、じゃあご希望に従ってXXと○○に行きましょうね。」と言うと  「私そんな事言ったかしら?それより☆☆しない?」練りに練った計画を根本から覆されることもしばしば・・・
それで私が怒ると、もともと準備というものにあまり重きをおかない母は「あなたは怒りっぽいわね!」

そこで私はますます沸騰するという悪循環!

 

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しかし、3日の夜、あまりの星の美しさにリビングでくつろいでいた母を誘い出し、樹の枝がまばらで
星がよく見える場所まで手を引いて案内したところ

「まあ、キレイ。東京(←埼玉ですけど)じゃ見られない星空ね。こんなの初めて見た!」と感動してくれました。

 

また、スーパーツルヤの、いつも利用する立科店ではなく中込店に連れていったところ

「いいお店ね。ここは初めてだけどまた来ましょうね」

中込店は今までも数回利用しているし、星空にいたっては30年近く毎年楽しんでいます。

母がその事を忘れてしまっているのはショックですが、見方を変えれば、ルーティンを繰り返しても
初めてのことのように喜んでもらえるという事に他なりません!こんな楽な孝行があるでしょうか?

 

今まで母を喜ばせよう、特別なことをしようとして肩に力が入りすぎていたのかもしれません。
自然体でいい、淡々とルーティンを繰り返すだけでじゅうぶんに喜んでもらえるんだ!

とわかると、私も毎年見ていた星空を初めて見たかのように幸福な気分に満たされました! 

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写真はPAKUTASOより拝借
宿泊先近くの上田市武石(たけし)にて撮影されたそうです。
彼の地では「星の数ほど」というコトバを実感できますし、一つ一つの星が明るく近く感じられます。

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PS/ そうはいっても、母娘二人だけの水入らずというのは、今回が最後かな?
一対一の介護は無理だと思います。介護者のほうが倒れてしまいます・・・
誰かと一緒なら、まだ旅行に連れ出せるかもしれませんが