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伝えることは、とても難しい

11月27日(水)の朝日新聞に、リンパ浮腫の記事

が載りました。デジタル朝日でも配信されています。

読んでみて、「ああ、伝えるって難しい」と

頭を抱えてしまいました。

 

まず見出し

「がん治療後のむくみ、どう解消 リンパ浮腫と・・・」

がん治療後に出るむくみはすべてリンパ浮腫であるかの

印象、がん治療に関連して起きるむくみの原因が実に様々で
あることがうまく説明できていません。

 

すぐ続いてがんの手術でリンパ節を取り除くと、後になって腕や脚などがむくむリンパ浮腫の
症状が出ることがある」
これも、リンパ節を残していたら症状は出ないと勘違いされそう


「リンパ浮腫のむくみ・・・手術できず着衣で」

今は手術による治療も盛んになり、治療成績もあがっているようです。必ずしも全員に

手術が適用ではないそうですが、「手術できず」というのは誤解を招く表現です。

 

「予防のためのスリーブ・ストッキングの着用、根拠がないとして推奨していない」
「推奨しない」という言葉は一般とはずいぶんと異なる意味で用いられています。
確かに2018年のガイドラインには「推奨しない(推奨度C2)」と書かれていますが

その心は「現状での推奨度判定には慎重でありたい」だそうです。

 

実は、私も取材をお受けして、きちんとご説明したつもりでしたが、伝え方が
足りなかったようです。(その上に、たくさん時間を割いた弾性着衣に関するコメントは
全部カットされてしまった/涙)

 

もっとも、発症を恐れて日常生活を大きく変える必要はないという」という

一文が入っているのはありがたいです。というのも、これまでは「○○はダメ、
XXもダメ」という禁止事項ばかりの生活指導で、息苦しく感じる患者も多かったからです。

加えて、11月01日には、ABC特集/Yahooで恐怖を与える記事が配信されたこともあり
「どうしたら良いか」というご相談もお受けしたから、そういう方には、ひとまず

ご安心いただけると思います。