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保険制度 リンパ節生検と郭清

「保険制度がわかりにくい」というお話の続き・・・

 

厚労省の通達の文言では指示書発行(保険適用の前提)

の対象となるケースは

鼠径部、骨盤部若しくは腋窩部のリンパ節郭清を伴う
悪性腫瘍の術後に発生する 四肢のリンパ浮腫(+原発性)
と規定されています。


残念ながら「センチネルリンパ節生検」は含まれません。

どちらもリンパ節を切除・摘出することに変わりはない
のですが、リンパ節生検(Lymph node biopsy) と
リンパ節郭清(Lymph node dissection)は、医学的には意識的に厳密に使い分けられており

(参考記事)厚労省の通達もそれを前提にしています。

 

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しかし、センチネルリンパ節生検が保険の対象にならないのは、やはりおかしな事です。

①この医療費助成の制度目的はリンパ浮腫に苦しむ方の経済的負担軽減です。

 リンパ節郭清と関係ない原発性リンパ浮腫も対象に加わったことからも明らかです。
リンパ節郭清をしなくても、一定程度リンパ浮腫を発症することがわかってきました。

③現在では、リンパ節郭清の治療的効果に疑問がもちあがり、なるべくリンパ節郭清を

 しない方向にむかいつつあります。

 

とすると、センチネルリンパ節生検などリンパ節郭清をしなかった場合で、リンパ浮腫を

発症した患者さんに対し指示書を発行しないということは①療養費還付の制度目的にも
③現在の医学的トレンドにも反することになります。 
実は、この点何人か医師や厚労省にも質問してみましたが、コロナ対応でそれどころでなく
明確な答えがえられませんでした。
でも、私はこういう性格ですので、どしどし声をあげていこうと思います ^^